3月23日に発生し3月29日に運行が再開されたスエズ運河にて発生したコンテナ船座礁事故。
どのような原因で今回のコンテナ船座礁事故が発生したのでしょうか?
また、日本への影響や座礁事故の責任は船舶を所有している会社、海運会社どちらににあるのでしょうか?
このページではスエズ運河座礁コンテナ船の原因や賠償金責任の所在、日本への影響について紹介します!
目次
スエズ運河でのコンテナ船座礁事件の原因や理由は?
スエズ運河でのコンテナ船座礁事故の原因には「技術的または人的なミスだった可能性がある」とされています。
スエズ運河庁によると「強風と砂嵐により視界不良となったこと、あおられてまっすぐな針路を保てなくなったことが原因」と発表されています。
実際、座礁当時の天候は強風で地中海と紅海の複数の港が閉鎖されていたようです。
3月30日時点ではその原因については船長らに事情聴取中であり、明確な答えはまだ出ていません。
座礁コンテナ船の船籍や所有元は?運転していた人や船長は誰?
座礁コンテナ船はどこの所有なのでしょうか?
座礁コンテナ船は日本の愛媛県今治市にある正栄汽船株式会社(しょうえいきせん)の所有です。
この会社はコンテナ船やLNG輸送船などの船舶を所有しており、国内外の海運会社に対して貸出を行っています。
船籍はパナマですが、その理由は船舶登録が容易かつ安価で行えることと、管理や解散、外国人船員の配乗が容易に行えることにあります。
今回の座礁コンテナ船は台湾の海運会社「長栄海運(ちょうえいかいうん)別名:エバーグリーン・マリン」が使用。
船長などについては個人情報の観点からかどのニュースを調べても出てきませんでした。
結局誰の責任?賠償金はどこが払う?
今回の座礁は誰の責任で賠償金責任はどこにあるのでしょうか?
通常であれば運転手が賠償金責任を負うことになりますが、貸出を行っている場合は事情が異なります。
今回の座礁事故の場合、船舶の貸出を行なっている正栄汽船に無過失責任があり賠償金責任が発生します。
賠償金責任は発生しますが、当然、正栄汽船も今回のようなことがあった時のために船主責任保険に加入しているとのこと。
このため、サルベージ費用や船の修繕費などは船主責任保険で賄われ正栄汽船の経営に大きく影響があるものではないようです。
復旧再開や通行再開はいつになるのか?
スエズ運河を開通させるには、座礁したコンテナ船を元の位置に戻す必要があります。
座礁コンテナ船は3月29日に回収され、23日の座礁事故以来6日ぶりに運航が再開されました。
6日かかった要因は20万トンもある座礁コンテナを動かすことに時間を要したことにあります。
座礁コンテナ船のサルベージチームの親会社「ボスカリス・ウエストミンスター」CEOのペーター・ベルドウスキさんは「船の船尾の部分を浮かせることは容易であるが船首は船のバランスの関係上難しい」と発言しています。
座礁したコンテナ船「エバーギブン」は離岸後油漏れなどの調査により船体に問題ないことが確認されています。
スエズ運河の遮断が日本人や日本経済に与える影響は?
遠く離れた場所での事故と考えている人が多いと思いますが、日本への影響はどのようなことがあるのでしょうか?
そもそも日本は資源が少なく、原油や天然ガスなどは基本的に輸入によって賄われています。
そして、その輸入経路はスエズ運河であり、今回のような座礁コンテナ船などにより航行が出来なくなると物資が届きません。
そうなると日本への影響は大きく、身近なことで言えばガソリンの価格が高騰します。
この他にも乾燥パスタなどの食品が届かないことによる食糧難や価格高騰。
発電に必要な石油や天然ガス不足による電気代高騰、プラスチックや鉄不足による工場製品の価格高騰などその影響大きいです。